に明白に記述されていないがPeak−to−peak値を採っている。ここでも、これと同様の取り方とした。また、基準の設定値としては、軽構造船暫定基準やRR11では最大値を設定値としているが、ここでは、加速度の有義値を採用した(表−1参照)。
不規則波中での加速度の実測値の極大値が、Reyleigh分布に従うとすると、統計的に平均値と有義値及び1/n最大平均値の関係は、それぞれ以下の関係がある。
有義値と平均値 AF1/3=1.587AFMEAN
1/10最大平均値と有義値 AF1/10=1.27AF1/3
1/100最大平均値と有義値 AF1/100=1.61AF1/3
1/1000最大平均値と有義値 AF1/1000=1.93AF1/3
したがって、3〜5時間に亘って同一の海象が続く海面を向かい波状態で連続航行した場合には、1,000回に1回程度は1/3最大平均値の約2倍程度の加速度を生じることになる。本基準では、有義値を採用しているが、最大値をとっている軽構造船暫定基準との関係は、最大値が有義値の2倍程度に相当する1/1,000最大平均値程度の発現頻度を考慮していることになる。
船の使用目的により、旅客船とそれ以外に分けて加速度を設定した。旅客船では、乗客の乗り心地が優先されること、さらに、旅客船では船舶毎に運航条件が規定され、海象による運航制限が課せられることから、船首上下加速度は複振幅の有義値で、平水中で1.0G、沿海区域で1.25G及び近海、遠洋を1.5Gとした。
次に、旅客船以外で、例えば各種のパトロール船や、今後、就航が考えられる貨物船等では、平水中は旅客船と同一値、沿海区域は1.5G、近海及び遠洋海域で2.0Gの加速度を設定値とした。
パトロール船は、緊急時には船舶の性能限界までの運航、あるいは貨物船では定時性が求められることも考えられることから、客船より厳しい荷重状態となることが予測されるため大きい加速度を設定することも考えられる。
上下加速度の分布は、実験結果を基に図−2.3に示すように船体中央部から船首にかけて直線的に変化し、船尾側にかけては一定値となる設定とした。
表−1加速度設定値
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